静かに、目を閉じる。 「…華織」 「……ん」 存在を確かめるように、華織の名前を呼ぶ。 華織は泣きつづけていた。 俺は、華織の頭をなでる。 「…―――抜け出そう。一緒に」 ぴく、と華織の肩が反応した そりゃあそうだよな。普通の反応だよ。 「今、何て?」 あっ、何か今鼻で笑われた…!?