手を伸ばせば届く距離。


俺は、手を伸ばさなかったんだ。


怖かった。


信頼関係が、幼なじみ関係がなくなるんじゃないかと思ったら。


けど―――ああ。


怖がらず、手を伸ばしておけば。



「―――大好きだ…」



こんな遠回りも、しなくて済んだんだろうな。


やっと出会った。


俺の、愛しい―――華織。