手を伸ばせば、届く距離まで。




――――――▼真樹Side.



窓の外に見えたのは、圭と華織の姿。


心には風が吹くばかりだ。


怒りは芯を通ると、逆に冷静となる。


そして内心で、深く燃え上がる。


「―――圭…」


もう、譲らない


俺には華織しか、この手に残ってないんだよ


圭、お前は俺の敵だ。


俺は手抜きも、容赦もしない


圭がそれくらい、敵わないような男だからだ。