手を伸ばせば、届く距離まで。




圭が、弱い、優しい力であたしを抱きしめた。


あ…


圭はもう、子供なんかじゃないんだな。


大きくて、熱のこもった胸が、やけに涙を誘う。


―――圭。


あたしは、圭が好きなんだよ


「…怖かっただろ。なんか気になって、華織を探しに来たんだ」


…怖くなんかない


「…俺に、強がらなくていいよ」


…本当だもん。だって―――