想像する。 真樹や、華織がいなくなってしまうことを。 華織から嫌悪される。 真樹から突き放される。 俺はそれで、久野だけいてくれて… 「…ありがとう、久野」 笑うことは、出来なかった。 だって、分かってしまった。 「人間は欲が深いからな。俺だけじゃ、足りないに決まってる」 俺は、すべてが欲しい、ってことに。