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昼休みになると、たくさんの生徒が窓の外に見とれていた。


そこには、大きな桜の木。


キレイに咲き誇る姿は、見たことのないくらい美しい。


中学3年になっても、まだ、桜に見とれる感情はあるのだ。


「圭ー」


「…華織」


生徒の人混みをかきわけ、艶やかな黒髪の華織が姿をあらわした。