手を伸ばせば、届く距離まで。




「圭が、華織ちゃんを守れるんだって、分かってるだろ?」


どくん、どくん。


心臓が飛び出そうなくらい、波打つ振動。


そうだ…俺は…


「…分かってる」


そういう理屈に、負けたくないんだ


恐ろしい人間の“常識”なんかに―――。



「恋ってのは、卑怯でも臆病でも、奪いたくなるもんなんだよ」



俺は、俺の生き方を。