手を伸ばせば、届く距離まで。




ハテナばかり脳天につく俺は、バカだろうか。


「怖いって。だってあいつと圭は、命を懸けた恋をしてる、ってことだろ」


…真樹。


例えそうだとしても、俺に勝ち目はない。


「俺はもう負けてる。華織の視界にもない」


ジュースのおかわりを出した。久野は不機嫌に受け取る。


「圭の性格…良いのか、悪いのかねぇ」


オッサンかと思った。