【衣吹side】

俺たちは、最近朝早く家を出るようにしている。

理由は・・・
あいつをみれるからだ。

あいつ=片岡奈妃

あいつは、毎朝原田と登校している。
いつも、後ろ姿を見ているだけでホッとする。
あいつに会ってから部活に行くようにした。

きっと俺はかなりの重症だ。
今日も見つけた。

流星と風吹以外は俺をバカキャラだと思ってる。
そう見せているから。
そのせいか知らないが、しょっちゅう告ってくる奴がいる。

あぁ、うぜぇ。
そう思ってるとあいつがいた。

目もとは垂れ下がり気味の笑い顔、ほっぺたが赤く染まっていて笑顔が可愛かった。

いつしか、あいつのクラスが体育をしていると、目で追いかけるようになった。

「好き」だと気づいたのは、この前。
流星に言われてからだ。

でも、あいつはモテちゃっている。

たまたま俺が告られていると(聞いてないけど・・・)

「ごめんなさい。 私好きな人がいるの。 でも友達ならOKだよっ♡」
って断っていた。
俺がビックリしたのは、『好きな人がいる』のとこだ。

その『好きな人』とは誰なのか。
もしかしたら、俺かも知れない。
その確率は低いと思うけど・・・

俺だったら嬉しいのになぁ・・・

妄想ができる。

な 衣吹、すきよ
い 俺もだよ、奈妃。

な 衣吹
い 奈妃

こうやってあまぁい日々をすごせるのになぁ

「へへへへへっ」
「おぉい!!衣吹、衣吹たらぁ!!」
「えっ、あっおう、奈妃かぁ。びっくりしたぁ」
「「奈妃か」じゃないわよ、このバカ!!先生めちゃくちゃ怒ってるよ!!」
「たぁなぁかぁ!!」
「うげ、鬼山」
「?鬼山?」
「おっ、鬼山先生・・・」
「ちゃんと授業を聞いておけ!!」
「ほぉい。」
あぁ、変なのに引っ掛かかってしまった。
めんどくせぇ・・・