「そーいや、千夏って。何処で寝るんだよ」




原田さんと話をしていると、藤堂さんが口を開いた。


そういえば…、と近藤さんが声を漏らしたのが聞こえる。



「そうだよな…。一人部屋なんて無いし…」



そっか…部屋が必要なんだ…。

でも…、皆さんの部屋を借りる事は出来ないし…。



「あの…、私…、別に廊下だって何処だって平気です…」



「いかん!風邪を引いたらどうする!」



近藤さんは、必死に考えてくれている。


そんな…、私はどこでも…。


私は、すごく申し訳なさを感じた。



「じゃあさ、誰かの部屋ってのは?」


「へ?」



思いもよらなかった藤堂さん発言に、間抜けな声を出してしまった。