「ちょっと待ってくれ、近藤さん。俺達には、今忙しいんだ。尊王攘夷の取り締まりや、巡回もあるし…」


そうだよ…。

新選組は、攘夷志士とか…池田屋事件とか…色々あるんだから…。


「あの…、私、やっぱり…ここには居られません…」

「え…?」

「土方さんの言う通り、新選組は忙しいし…。私が居たら、邪魔になっちゃいますから…」


何を甘えてたんだろう…。

新選組だもん…、忙しいに決まってる。

置いてくれるわけ無いよ…。


「皆さんに頼らず、自力で何とかしないと……。皆さんに迷惑は掛けれません…」


私は立ち上がり、刀を持った。


「あーあ、土方さん。大人気無い。置いてあげればいいじゃないですかー」

「そうだぜ!千夏礼儀正しいし…」

「おい、土方さん」

「トシ、いいじゃないか」


「あー!分かった分かった!おい、千夏」

「はい……」

「お前を、ここに置いてやってもいい」


(え……?)


私は、状況が読めず、瞬きを繰り返していた。