4月

桜の花びらがひらひら舞っていて
私は高校の入学式も忘れて見とれていた。

「美香!!おはよ♪」

「おはよ♪友妃♪」

私の名前は 月野美香 ー今日から高校生。

そして小学校からの親友 木下友妃。

「美香!!入学式に間に合わない!」

「え!!ウソ!!」

「行くよ!」

友妃とダッシュで学校へ向かう…が!?
ものすごい人だかり。

「美香!あの人だかりは無視して突っ走るわよ!」

そう言って 友妃は走り出した。
だけど人だかりはすごくて…

足の遅い私は
友妃とはぐれてしまった。

その時だった…

「君、可愛いね♪一人なの?」
「俺たちと遊ぼうぜ?」

ガラの悪そうな若い男の二人組が
声を掛けてきた。

「キャッ 離してください!」

腕をガッチリ抑えられて逃げられない…

誰か助けて…!!


すると人だかりの方から
「キャー!!!」と大きな悲鳴がきこえた。

そして私の腕を誰かが掴んだ。

「お前 誰だよ?」

「この女の腕を離してやれ」

喧嘩のような会話が聞こえたので
私は顔をあげた… すると。

「・・・!!!」

私と同じ制服を着た男の人が
ガラの悪そうな二人組と言い合いをしていた。

「行くぞ!」

私と同じ制服を着た男の人が
私の腕を引いて走り出した。


・・・しばらく走って体育会の裏に着いた。

「大丈夫か?」

「はい…ありがとうございます…」

まじまじと顔を見ると…
ものすごくカッコよくて見とれてしまった。

こんなに整った顔を見たのは
初めて… だと思う。

「お前、同じ高校だろ?」

「はい。」

「名前は?」

「月野美香です…」

「俺は高崎健吾。」

「入学式に間に合わないけど
とりあえず行くぞ。」

「うん…」


これが私とアイツの出会い。

まさか…これが恋になるなんて…