薄暗い廊下を歩いている。




靴の音だけがやけに響く。




やがて、頑丈に隔離された部屋の前にたどり着く。




“ ICU ”




あたしの大事な仲間はその部屋で生きようと闘っている。





白衣に着替え、消毒をしてクリーンルームへと入る。





目についたのは、

たくさんの細い管を身体中に付けられ、酸素吸入器を付けられ呼吸している健太の姿。




あたしは静かに彼のそばに行き、彼の傷ついた手を握り締めた。





「健太…。戻って来い。」





彼に取り付けられた電子音がやけに響く。





手術は成功したものの、意識が戻らない。