「保健室から華を連れ出す時、あんたは壊れ物を扱うように大事に運んで行ったじゃねぇか。愛おしそうな目で華を見ながらよ…。」


「なっ…!」


伊吹陸斗は、怒りを露わにする。



その時、黒塗りの車が俺達の側に止まった。


後部座席のドアが開き、一人の男が降りた。






「藤堂 亮二‼」




「よう! 双子。久しぶりだな。」

「貴様…何の用だ?」


陸斗は、冷静さを失っている。


「華は、どこにいる?」


こいつも華を探しているのか?


「あんたも華を探しているのか?」


「お前…ひょっとして…蓮って言う奴か?」

「だったら何だってんだ!」

「は〜ん…。」



何なんだコイツ? ニャニャしながら俺を見てんだ?