上島の家で寝ている時、うっすらとした記憶の中に蓮がいた。
『おまえに会いに来た』そう言った蓮に、もう一度会いたい気持ちになった。
俺様な蓮だけど...
「なに? 深刻な顔してんだよ。ほら、送っていくぞ!」
「別に...深刻な顔なんかしてないっし...」
それからあたしは学校まで亮二に送ってもらった。
ご丁寧に校舎の中の駐車場で降ろしてくれた。
「こんな...目立つじゃん。」
「お前は普通にしても目立ってるじゃねぇか。」
「うるさい!」
「帰りも迎えに来る。」
「いいよ来なくても。家すぐそこだから...」
「親父の命令だ。しばらくは俺ん家に泊まれって...」
「渉さんが?」
どうして亮二の家に?上島のことがあるから?

