「あなた、入りますよ」
「あぁ...入れ」
そこは畳敷きの和風の部屋
着物姿の男の人が座っていた。
すぐこの人が此処の主だと思った。
「あなたが 華 さんだね。私は藤堂組の組長をしている藤堂渉(わたる)こっちは家内の麗華(れいか)だ。」
「青柳 華と申します。 夜分遅くお宅にお邪魔して申し訳ございませんでした」
夜中に此処に来たことを謝った。
「亮二のことであなたに大変迷惑をかけたね。すまなかった」
「いえ…元はと言えば私どもが悪いのですから」
大元が汚い手を使い、亮二達を巻き込んだ。
大元の失態はあたし達も同罪。
「あなたも大変な目に遭ったというのに、こんな息子を許してくださった。申し訳ない...」
「どうか頭を上げてください。私はチームを引退した時に、過去のことは綺麗さっぱり忘れたんです。前向きに生きようって」
亮二で最後しようと思った。これ以上人を傷つけたくはなかったから...

