あれから一年が経ち、またあたしは上島の思惑に利用された

自分の組の株を上げる為、あたしを捨て駒にしようとした

でも面白いことに、誰一人あたし達が和解しているなんて気づいていなかったこと


「あやめちゃん元気?」


運転している藤堂に話しかけた

藤堂の表情が暗くなる


「俺ら別れた...アイツの親が反対してさ...この街からいなくなった...」

「そう...」


あんなに仲よさそうだったのに...


「あやめが言ってた...華と友達になりたかったって...」

「あんたはどうなのよ...諦められんの?」

「こればかりは仕方ねぇ…俺はこれから親父の後を継ぐ。俺の女になる奴はそれなりの覚悟が必要だ...あやめにはそんな事させたくはねぇんだ...」

「惚れてたんだね...」

「うるせぇ...」


藤堂は優しい奴だ...