だけど。

「なぁぁああにぃやぁあっとんじゃぁぁああっっ??!!」



   トンッ


叫ぶ声が聞こえて、何かに体を押される。

「え?」

おそるおそる、目を開ける。

そして、見えたのは。


赤。


赤色が、あの女の背中から流れ落ちていて。

「は?」


状況が理解できない。意味が分からない。なにがどうなってる。はぁああ?


「・・・っみぃ~つけたぁ♪」

苦しそうに、でもどこか安心したように、笑う女。

  ガシッ


僕の肩の服を掴んで・・・歩く。

引きずられるまま、ついていく。何も理解できない。


ク●パが血のついた鋭い爪を再び振り上げる。


  ザッ



「・・・っ!」

再び傷つく女の背中。

「ぉ・・・おい・・・・・・っ?」

意味も分からないまま声をかける。


ギィィィッ


女は入ってきた、扉を開き、入る。さっきの場所に戻る。


  ガチャッ



閉める。ク●パは追ってこなかった。

扉を過ぎたとこから引き返していた。


「あきらん・・・?」

血だまりの上で、名前を呼んでくる・・・。


「お前・・・。」


背中には大怪我を負っていて。


だけど


女は


笑って。



「大丈夫?怪我は無い?」