田村さんが英語で何やら話をしている。


そして「Just moment please.（少々お待ち下さい）」と言うと、通話口をふさいであたしに話しかけてきた。


「確認したら大丈夫だそうです。本当に３ヶ月入学時期を遅らせますか？」


「は、はい」


あたしは急いで答えなきゃと思って、ろくに考えもせずに答えてしまった。


田村さんは電話を終えるとあたしにこう言った。


「鈴木さんの入学は３ヶ月後になりました。しかし今回一度限りですので･･･。今後もし鈴木さんの気が変わって、学校に通わないことになったとしてもリファウンド（返金）はされないので気を付けて下さい」


「はい。分かりました」


本当にこれで良かったんだろうか･･･？


あたし、英語講師になりたかったはずなのに･･･。


いや！パッキングの仕事が終わったら勉強すればいいんだ。


ニュージーに来てたった３日。まだまだ先は長い。




が、あたしは気付いていなかった。


この時の決断が自分の運命を大きく変えることに･･･。