TATTOOー愛情ー

「芽衣の人生だから芽衣の好きにしたらいいと思うよ。でも、後悔はしないようにね」


そう言って梓は少し赤い顔であたしを見た。


「うん。今までのあたしって親の言う通りに生きてきたっていうか、自分の意志が無かった気がする。その方が楽だから。

でもニュージーで暮らしてみて、少しは自立して、自分の人生なんだから誰にも縛られずに生きたいって思うようになったんだよね」


言い終わってピーチフィズを煽る。


おのずと答えは出ているような気がした。


「いいんじゃん?あたしは日本を捨てて外国になんて行けないから、そうしたいと思う芽衣を尊敬するよ。頑張りな」


最後に梓はそう言って微笑んでくれた。


梓はあたしを責めなければ、深く追求することも無かった。


長い付き合いだけど、そういう所が好きだった。


ニュージーのお土産にヒスイのネックレスをあげた。


ヒスイはマオリの装飾品や武器に用いられた石だった。


他の人から贈られると石の力がより強くなるという言い伝えがあり、あたしと梓の絆もそうなれば嬉しい。