TATTOOー愛情ー

「周吾には悪いと思ってる。ちゃんとあたしから話すから・・・」


「芽衣、自分の言ってること分かってるの?1年も待ってくれるだけでもありがたいのにそれ以上待ってくれるわけないじゃない。

婚約したんだからわがままは許されないのよ!」


分かってる、分かってるよ・・・。


だけど・・・。


「じゃあ聞くけど、あたしには何の自由も無いの!?」


「えっ?」


「あたしは今までずっと親の言う通りにしてきたじゃない。本当は東京の大学か専門学校に行きたかったけど、反対されたから諦めた。だから地元の短大出て、地元で働いて・・・。

そのうえ周吾と結婚してずーっとここにいなきゃいけないの?あたしに選択肢は無いの?何であたしの人生なのに親に決められないといけないの?」


言い出すと止まらなくなってしまった。


母がはっとしたのが分かった。


「そう・・・。芽衣がそんな風に考えてたなんて知らなかったわ。確かに私達の望みを1人娘のあなたに押し付けていた。ごめんなさい・・・。

でもね、婚約したのはあなた達自身でしょう。周吾くんのことどうするつもりなの?ニュージーランドに残りたいから待ってて下さいって言えるの?」


「それは・・・、分からない。でも、それで別れるって言われてもそれも仕方ないって思ってる・・・」


本当にあたしは何をしてるんだろう?


時々、自分で自分が分からなくなる。