TATTOOー愛情ー

「それがね・・・、実は今、学校に通ってないんだ・・・」


あたしは気まずさのあまり俯いてしまった。


「えっ!?キウイフルーツのパッキングの仕事の後、学校に通うって言ってたじゃない」


「何ていうか、予定が変わったっていうか、もう少しニュージーランドにいてもいいかなって・・・」


「1年で終わらないってこと?」


「う、うん・・・」


母の声音が変わってきた。


あたしの頭に赤信号が点滅している。


「実は今、オークランド郊外のお寿司屋さんで働いてるの。で、あたしがもっとニュージーにいたいって言ったらワークビザを出してくれるって」


「何?ワークビザって。あとどれ位ニュージーランドにいるつもりなの!?」


母が怒っているのが分かった。これはヤバい。


でも、もう引き返すことは出来なかった。


「もしワークビザが下りたら、とりあえず2、3年はいるかな」


「周吾くんも待ってるのに何言ってんの!」