ガラっっ 教室に戻ると、広瀬くんはまた外を眺めていた。 「何見てるの?」 今度は普通に言えた。 「・・・空。」 広瀬くんは外を眺めたまま、そう答えた。 「空?好きなの?」 「うん、好き」 “好き” 私に言われたわけでもないのに、不覚にもその言葉にドキっとしてしまった。