「この間、10年前に家族を失ったって話したでしょ?実はあの次の日が命日だったの。それで、思い出したことがあるの」


美春は少し辛そうに話す。

俺はたまらなくなって美春の左手を握った。


「私には同い年のいとこがいたの。日向って名前で、家族と日向で遊園地に行った帰りだったの・・・事故だったの」


美春は記憶を失ってたんだ・・・。


「お兄ちゃんとお姉ちゃんが私と日向を守ってくれたの。だから助かった。私は不安だったの。日向にも置いて行かれるんじゃないかって・・・」