10、




「凪咲からキスしてや」



お誕生日は何が欲しい?と尋ねれば、真顔でそう返された。

ちなみにそれを聞いたのは1週間ほど前で、私はといえば、



「え、えええ!?」


「それ以外はあかんから」


「・・・ちょ、か、考えさせて下さい・・・!」


「恋人同士で何を考えんねんあほう」




迫りくる湊君のオーラから逃げ続けていたわけで。


つまり、1週間、湊君の誕生日当日になるまで避け続けていた。