唇を離した湊君は汗ばんだまま、ふ、と笑った。
その顔があまりにも大人びて見えるのは、キスのせいだろうか。
身体が冷えてしまうから汗を拭かなくちゃいけないのに、腕はもうさほど強い力でもないのに・・・振り払えない。
「風邪、うつってもうたら、すまん」
「だ、大丈夫だから・・・その、」
もう一回、と小さな声でねだれば、湊君は「風邪、うつったら、看病したるわ」と前置きして、もう一度キスをくれた。
傍にあったベットに倒れ込み、ベットが軋む。
部屋には私たちだけが起こす服の擦れる音だけが在る。
―――これから何があったかは、2人だけの秘密。