「・・・なんでまだ不機嫌なの」 「半月も逢えへん可能性があったんやで」 「・・・何でそれで不機嫌になるの」 「槇内は、」 「うん?」 「俺と半月逢わへんかもしれへんのに平気やったん?」 「えっ?」 「どうせ、」 スプーンをカランとあんみつの器の中に落とす。 ようやく視線を合わせてくれたけど、その瞳には鋭い光があって今度は放せなくなってしまった。 すっ、と伸ばされた手がこの間と同じように頬を撫でる。 どく、どく、と心臓がうるさい。