「来て、くれたじゃん」


「怪我した後じゃ意味あらへんわ」


「そんなことない!来てくれた、助けてくれた、ずっとそ傍にいてくれた」


「・・・・」


「私が呼んだら、来てくれた。・・・ありがとう」






助けて、と。

強く強く想ったとき、溢れた言葉は、「おりはらくん」で。

それを音に乗せれば、彼はちゃんと、来てくれた。



折原君の腕が緩んだ瞬間に、身体を反転させる。

顔を見合わせて微笑めば、「生意気や」と目を逸らされた。