頭が真っ白になる。

がちがちと震えて何もできないでいると、男が突然カウンターを殴りつけた。




「きゃ、あ!」




頭を抱えてその場にずるずる座り込む。



「聞いてんのか?あ?」


叫びだしそうになると真横の壁を蹴り飛ばされて、慌てて口元を押せる。

怖い。怖い。怖い。

誰か助けて。夏菜ちゃん、どうしよう、店長、



ぽろり。涙が落ちる。


イヤだ、怖いのも痛いのもイヤだ。