そして今、あの時とは違う部分で心がどきどきしている。
「いいからとっととレジ開けろっつってんだろ!」
「・・・っ、」
どうしようどうしようどうしよう
目の前にはマスクで顔を覆った、大柄な男。
店内には私しかいない。
同じシフトの子の夏菜ちゃんは裏で休憩をとっている。
たぶん、今この状態には気付いていない。
これが今はやりのコンビニ強盗、というやつか。
ナイフを片手に持って入ってきたこの男は、迷わず私に、ソレを向けた。
カウンターの下には警報機もついているけれど、男が邪魔するせいで、押せない。
押したくても身体が動かない。