「・・・ソレに手ぇ出すなや、俺のやねん」





低く低く紡がれたその声に、お客さんはビクリと震え、勢いよくお店を出て行く。


暫しの間、呆気にとられていた。





「ちゅーか、何ナンパされとるんや、油断も隙もあらへんな」


「そ、そんなことないもんっ!」





ん?それよりさっき折原君変なこと言ってた気がする。

ソレだとか、俺のだとか。

・・・でもまぁ、助かったのは事実だ。

小さな声で「…ありがと、」と呟いた。


ちらりと折原君を見ると、頬がほんのり染まっているように見えて、何故だか私もあつくなってきた。