3、



「お疲れ様でしたー」



バイトの退勤時間を迎え、お店の裏口から出る。

室内と外の温度差に身震いを一つ。

時間を確認しようと鞄から携帯を取り出す。

(20時10分か…、早く帰ろう)

携帯をぎゅっと握りしめ一歩踏み出すと、見知った男の人が私の目の前に現れる。


・・・折原湊。


あんな印象的な事されれば名前も忘れられないよ、ちくしょう。