結局目が覚めてしまったあたしは小さなベランダに出た
そこには趣味で育ててる野菜があった
じょうろからでる水が太陽に照らされてキラキラと反射する
そろそろ収穫できそうだな。
「家庭菜園なんていかにも女の子って感じだね」
あたしは声のする左側に顔を向けた
でた……。
「おはよう♪っていってもさっきぶりかっ」
えぇ、あなたのおかげでね……っ
すぐそこまできていた言葉をあたしは飲み込む
「さすがに仕事している人は家を出ないとまずいんじゃないですか」
突き放すようにしてあたしは立ち上がった
「いーのいーの。俺、特別だから♪」
「特別?」
「そ、特別。V.I.P♪」
ベランダの柵にひじをつきながら楽しそうにこっちを見る相沢さん
一体何が楽しいんだろう
理解できない。


