無言のエレベーターであたしはチラリと会沢さんの方をみた ドアをジッと見る会沢さんはどこか緊張したような顔だった しばらくしてエレベーターが止まった階はホテルにある広い空間だった 大きな窓が部屋全体にはってあって、その先は夜景が広がっていた 「キレイでしょ?」 振り返った会沢さんの顔は得意気で、さっきの緊張した表情とは違っていた 「緊張したけど、言ってよかった」 「会沢さん……?」 「俺ちづるちゃんに会ってなかったら、こんな気持ちになれなかった」