気づけば風が冷たくなり肌寒い秋になっていた 会沢さんとは時々会うも近況を簡単に聞くくらいだった どうやら新作は完成し、今はパーティーの準備で忙しいらしい そう聞くと余計に遠い人に感じた 「忙しそうですね」 久々にアパートの扉の前で会沢さんを見かけて声をかけた 「あ、ちづるちゃん。バイトの帰り?」 「はい。今日も打ち合わせですか?」 「まあね。こんな風に新作を発表するのは初めてだから慣れないことだらけ」 苦笑いを浮かべる会沢さん やっぱり疲れは抜けてないみたいだ