詳しく聞かせて。とは行ってくれたものの、昨日の今日じゃ知っていることは限られている
とりあえず、昨日から今日まで会沢さんとの関わりをあたしはこと細やかに栞にいった
「あたしは悪い人には感じないけど。
むしろいい人そうじゃん」
「だから、何考えてるんだかわかんないのっ
会うたびにニコニコしてくるし、あの笑顔の裏で何を考えてるのか想像すると恐いのっ」
笑顔の裏ねえ、あたしの言葉を反復しながら栞はコーヒーをすすった
ちなみにここは大学の食堂
賑やかな昼時はあたしたちの会話なんて聞く人はいない
「ま、その会沢さんとやらがストーカーとか覗きとかし始めたら事態は深刻だけどね。
とくに何もないなら気にしなくてもいいんじゃない?
ミステリーオタクのあんたには不審な点がいくつもあるんだろうけど」
澄ました顔の栞の表情から、ホントに栞はこのことに関して大丈夫だと考えてるのを感じた
でも気にするなって言われちゃうと……


