「この間、ちづるちゃんに瀬川真司に話したの覚えてる?

ファンは昔の作品を選ぶって」

「あ……はい」


どうして会沢さんが突然そんな話を始めるのかわからなかったあたしは、とりあえず頷いた






「俺……そんなこと言ったけど、具体的に何が違うのかわからないんだよね」


瀬川真司の昔と今の違い……?


「俺さ、すごい無責任なこと本当はちづるちゃんに押し付けてたんだよね」

「え?」


あたし……なにか会沢さんに頼まれたことなんてあったっけ?



「本貸したでしょ。
瀬川真司のファンの君の生の声を聞きたかったんだ

昔と今の違いを」


待って……それってまさか……



あたしの反応を見て会沢さんはクスっと笑った












「察しがついたみたいだね」

「会沢さん……あなたは……」