それから
斎藤くんは
矢崎と不仲になった。



当たり前といえば
当たり前だが・・・。



あれほど。



互いに
屈託なく笑っていたのに。



たかが
すぐに別れてしまうような
女の取り合いで
口をきかなくなるとは。



馬鹿馬鹿しくて
悲しい。


最近
不覚にも授業中に
右斜め前の斎藤くんの背中を
ながめてしまう。



本当に彼は
納得しているのだろうか。


あの終わり方で。


思考を停止させて
私はペンを指の
間にくぐらせた。