6月中旬のある日。


梅雨の合間に珍しく晴れた。



私は理科の実験で使う器具を抱きかかえながら
昼休みの廊下を歩く。



うっとうしいな。



とにかく
腕の中でくるくる回る地球儀が邪魔だった。



動くたびに腕に当たって
丸い球は斜めに傾いた棒を軸に回る。


くるくるくるくる……。



私たちが住む青い地球は
私の腕の中でひたすら回るのだ。



何故か
それが私には馬鹿馬鹿しかった。



理由は不明。



ん?
何かうるさいなぁ……。



そう思って立ち止まってみると
そこは私の教室だった。



何?



ドアと窓の周辺にはギャラリーが集まってきていた。



その中に無理やり顔を突っ込む。



ただただ
無意味な地球儀が邪魔だった。