朝玄関を出ると門にもたれるように立つ人が……。


「!谷口君!?」

振り返った谷口君は不機嫌そうに眉間にしわをよせている。


「お、おはよう…、どうしたの?…。」


無言でメットを渡される。


「…ありがとう。…もしかして…かなり待った?」


恐る恐る後ろにまたがり谷口君の制服を掴む。


その腕を捕まれ谷口君のお腹まで引っ張られた。

顔が谷口君の背中につき、ドキドキする。

谷口君は回された手を優しくポンポンと叩くと走り出した。