「何をですか……?」 未だ流れる涙を拭いながら、私は問いかけた。 「俺の過去だ」 知りたいと思った。 「話を聞いてから俺を受け入れられるかどうか考えてほしい。それまではさっきの言葉は聞かなかったことにする」 私はゴクリと唾を飲み込み頷いた。 翔さんは私が頷くのを確認すると、意を決したように息を吐く。 そして、話し始めた。 翔さんの過去を。 「俺は、人殺しだ」