「な、何を根拠に仰るんですか?私が西島さんをいじめていると」



真莉奈の顔が引きつる。



まさかこんな事になるとは思ってもみなかったのだろう。



ただ、翔さんに近づきたかったんだと思う。



私を利用して……。




「根拠?そんなもん、こいつが震えてるからだ。あんた達を見て」



翔さんにしがみついている震える私の手に翔さんの手が重ねられる。



そして、とぼける真莉奈の言葉に翔さんの瞳には怒りが灯る。



「いじめなんて、西島さんの勘違いでは?私達はじゃれ合っているだけです」




その言葉に翔さんが激昂した。




「お前たちはそのつもりでもこいつは違う!いじめてる人間にその自覚なんかあるわけないだろ!いい加減気付けよ、最低な事をしてるって!やられる側の、こいつの心には深い傷がザックリ刻まれてんだよ!!」



鋭い瞳が真莉奈を捉える。