「うーん、無いな……」



今日も翔さんについて陽の光が降り注ぐ河原にやって来た私は、四つ葉のクローバーを探していた。



だけど、全然見つからない。



「何が?」



私の呟きに翔さんが問いかける。



「あ、四つ葉のクローバー……」



眠っていると思っていた翔さんに声をかけられた私は驚いて、声が上手く出なかった。



だけど翔さんはちゃんと聞いていてくれて、私の側に来ると地面に手を当てて一緒に探してくれた。




「四つ葉は人がよく歩く所にあるんだ」



「え?」



「三つ葉が踏まれて一度死んで、強くなって四つ葉になる。踏まれて痛みを知って、幸せになるんだ」