「カップ麺とかゼリー飲料とか」



ぶっきらぼうに答える翔さんに言葉を失った。



「ちゃんと食べなきゃダメですよ!だから細いんです」



標準より細身の翔さんの体を指さして私は語気を強めた。




「別に。食い物に執着無いから……」



一瞬の間の後、翔さんが告げる。




“執着が無い”




それは、食べ物以外にも言える気がした。



物や人にも執着が無いんじゃないのかなって感じることがあるから。




なんだか、世界に壁を作っている気がするから。