ふたつ星



水面に触れようとした瞬間、腕を力強く引っ張られた。



「きゃっ…」



思わず尻もちをついてしまった。




「また変なこと考えてんのか!?」




あ……


またあの人……



そこに立っていたのは、紛れも無く昨日の彼だった。




声を荒らげて焦っているようにも見える彼に私は小首を傾げる。



何でそんなに?



それに……



「私、今日はそんなつもりじゃないです」



きょとんとお互いに見つめ合う私達。