その日の夕方家に帰り、夜まで普通に過ごした。 いつもと変わらず、この家に私の居場所は無い。 私がいてもいなくても変わらない。 「早くご飯食べちゃってよ」 「うん……」 交わした会話はそれだけ。 本当に私の居場所はどこにも無いんだ。 ただ、翔さんの側を除いて……。 そして夜中、家中が寝静まったのを見計らって家を飛び出した。 起き手紙を残して。 最低限の荷物を抱えて翔さんの元へ急いだ。