何度も止めてほしいと頼んだ。 それなのに真莉奈は止めてくれない。 他のクラスメートも私達の周りを囲んで笑ったり、見て見ないふりをしている。 涙が瞳に滲む。 『哀れな人間だと思え』 翔さんの声が聞こえた気がした。 そう思うと涙が引っ込んだ。 そして、真莉奈をジッと見据える。 「何よ、その目は!生意気なんだよ!」 バチンと盛大な音がして、頬に強烈な痛みが走る。 その声には、いつもの甘ったるさの欠片も無かった。