「なんで私にくれたんですか?」 また無視されないか恐る恐る聞いてみた。 「誰かと食った方が美味いだろ?」 真っ直ぐ川の流れを見据えながらも、今度は答えてくれたことにホッとする。 そして翔さんは続けた。 「学校でいじめにあってんだったら飯とか食うの一人だろ」 「はい……」 私は肉まんをほおばりながら俯いてしまった。 何でこの人はわかるんだろう。 私がどんな思いをしているのか。 そして、なんでこんなに優しいんだろう。 涙がポロポロとこぼれ出してしまった。