ふたつ星



「長い間謝りに来なくてごめん。ごめん小林……俺は取り返しのつかないことをした。自分のエゴでお前を傷つけて死に追いやった」




大きな声で、天国の小林さんに聞こえるように言葉を発する翔さん。




「今更謝っても許してもらえないと思う。でも、前に進みたいんだ。どうか、俺を許してくれ……昔も今も自己中でごめん……」




翔さんの声が震える。




「お前はもう、喜びも幸せも感じることが出来ない。それを奪った俺が言うのは間違ってるかもしれないけど……俺、好きな女が出来た……幸せにしたい。幸せになりたい。どうか許して下さい……」




翔さんの切なく震える手をギュッと握りしめて、私も小林さんのお墓に向き合った。




「小林さん、翔さんはあなたにしたことをとても後悔して反省しています。そして変わりました」




私は小さく深呼吸する。