「あの、悪いです……!」 恥ずかしくて、慌てて顔を背けようとしたけれど、すぐに彼の大きな手に捕まってしまった。 「大人しくしろって!大体お前は……」 そこで言葉が切られたのが不思議で首を傾げる。 「って、お前、名前は?」 今更聞かれて笑ってしまう。 「西島 日向です。高校2年生」 クックと笑いながら答えた。 「そうか。俺は翔。神崎 翔だ」 彼、翔さんは私とは対照的に真面目な顔で名乗った。 『翔さん』 私は彼の名前を心の中で繰り返した。